本記事は世界的に有名な第五版RPGにて、性的セッションを行うための追加ルールと技能を案内する記事である。
これらはすべて選択ルールであり、すべてを適用する必要はない。
GMは自身の好みと、セッションのコンセンサスに合わせて用いるルールを選ぶこと。
■性的なロールプレイ
すべての性的なロールプレイ(以後RP)は、それがキャラクターにふさわしいものならばGMからインスピレーションを渡すべきである。
■冒険中の性行為
冒険者は生と死の狭間において昂ぶり、激しい性的欲求を抱えることが少なくない。
このため、望ましい相手との性行為に1時間を費やした冒険者は“小休憩”の効果を得る。
複数人が相互に快楽を与え合う行為の場合、参加する全員が小休憩の効果を得る。
行為において相手の合意は必ずしも必要ではない。相応の歓喜を得られたならば繁殖行動である必要もない。ただし両者が小休憩の効果を得るには、両者が快楽や満足を得る必要がある。
こうした性行為は本記事の追加技能によって、追加の効果を得たり休憩時間を短縮させたりしうる。
■特殊なダメージ
下に挙げたいくつかのダメージ種別は肉体を傷つけず、対象に発情効果を与えることにしてもよい。
[酸]:特異な媚薬で、全身を過敏な性感帯に変える。
[毒]:強烈な媚薬で、情欲を昂らせ体を疼かせる。
[精神]:理性を削り、頭の中を色欲のみに染め上げる。
[光輝][火]:肉体ではなく精神を炙る炎であり、情欲を昂らせる。
[死霊]:アンデッドに対して[光輝]と同様の効果を与える。
これらによってヒット・ポイントが0になったキャラクターはあまりに激しい発情状態で朦朧とし、腰砕けになって、その場でうずくまったまま荒い呼吸で己を慰める他に一切の行動ができない。
これらはセッション内のすべてのダメージへ無理に適用する必要はないが、時折登場させたり、特定呪文の効果とするだけで強烈なインパクトを与えるだろう。
既存のモンスターを性的な存在として扱うことも容易になるはずだ。
■ヒット・ポイントが0になった時
基本的に性的セッションの敗北は、PCの終わりではない。
ヒット・ポイントが0に達しても即死は発生せず、死亡セーヴィング・スローはすべて自動成功としてよい。PCは容態安定化した状態で気絶する。
すべてのPCが気絶しても、セッションの終わりではない。
その後にどうなるかは敵とコンセンサスに基づき、GMの判断で決めるといいだろう。
以下の中から選んでもいいし、コンセンサスに問題なければロールして決めてもよい。
●気絶した後に(1D6)
1:虜囚。敵の拠点に囚われた状態で目覚める。相手によっては凌辱を受けるだろう。
2:貢物。敵に囚われ、より高位の存在に玩具や奴隷として差し出される。
3:奴隷。通りがかった山賊等に助けられるが凌辱された上、奴隷として売られる。
4:凌辱。敵または通りがかった強者(敵を撃退した)に犯されながら目を覚まし、再び気絶すると放置される。
5:襲撃。敵が異なる存在に襲撃され、撃退される。PCは襲撃者に連れ去られ……武装解除され拘束を受けて目を覚ます。
6:救出。善良な冒険者や軍に助けられ、手当を受けながら目を覚ます。
コンセンサス上で問題なければ、PCはどのような立場になろうとセッションを続けてかまわない。
たとえばゴブリンの虜囚となったPCは他の虜囚と共に脱出を目指してもいいし、ゴブリンの忠実な奴隷となって村を襲ったり冒険者を退けたりしてもいいのだ!
■追加技能
本記事では5つの技能が追加される。
これらの技能は、技能であると同時に「性的なルール」でもある。
基本的にこれらの習熟は記載された技能の代理とすべきだが、GMがどうしても必須だと考えるならば追加で1つの習熟を許してもよい。
また、これらはPCだけのものではない。GMは任意のNPCやモンスターをこれらの技能に習熟させてもかまわない。ゴブリンやオークが〈凌辱〉に習熟していておかしくはないし、サキュバスならば〈性技〉や〈誘惑〉に習熟しているはずだ!
●〈凌辱〉【筋力】
相手の合意を得ず、無理矢理に性的行為を行う手管。衣服を引き裂いたり、抵抗を抑え込む能力も含む。
〈運動〉か〈威圧〉か〈生存〉の代わりに習熟してよい。
他に邪魔のない状況で、相手の脅威度が0(一般人など)ならば難易度10で即座に行為が可能だ。
なお、キャラクターの合意はなくともよいが、相手プレイヤーやGMの合意は必ず得て用いること!
戦闘中でも、相手は無力状態、伏せ状態、拘束状態、(凌辱者に)つかまれた状態のいずれかならば、アクションを消費し【筋力】〈凌辱〉判定してもよい。
難易度は相手の服装や状況によってGMが判断すること。面倒ならば、相手の【筋力】セーヴと対抗判定にしてもいいだろう。
成功すれば、対象は凌辱者につかまれた状態となった上、性行為可能となる。
出目20で成功したなら、凌辱者は対象に1D6+【筋力】修正値[精神]ダメージを与えてよい。
行為中の両者は、最中も互いに攻撃が可能である。
行為中の凌辱者は、凌辱対象への攻撃ロールに成功した際に通常のダメージの代わりに1D6+【筋力】修正値[精神]ダメージを与えてもよい。
こうしたダメージは特殊なダメージ(本記事別項)を活用せず、通常の気絶状態をもたらすものとした方がよい。
●〈性技〉【敏捷力】
性的なテクニック。
〈手先の早業〉か〈芸能〉の代わりに習熟してよい。
性行為によって相手をどれだけ満足させたか、焦らしたかを判定する際に用いる。
相手によっては性交渉を通じ、金銭、情報、知識、権限、信用、好意など多くを獲得できるだろう。
基本的に性行為直後、事後の描写を行う前に判定する。
通常は難易度10だが、相手との関係や状況によってGMは難易度を上下させてよい。
両者が行為中のRPをしていたなら、判定に有利を得る。
この判定は行為に参加した全員が行ってよい。
成功すれば相手は大いに満足し、好意を抱く。冒険の最中ならば、1時間の行為を30分に短縮してよい。
出目が20だったならば10分に短縮するか、30分とした上で“行為の相手”は回復のための消費ヒットダイスの数を2倍と扱ってよい。ただし、同時に相手から異常な執着を受けるかもしれない。(GMの判断による)
失敗ならば満足できなかった。事前のRPが情熱的なものならば、まだまだ物足りないと感じさせてしまう。相手は可能ならば、あなたとの行為を続けようとする。両者が【耐久力】〈精力〉判定をする状況に陥るだろう。
●〈精力〉【耐久力】
性的なタフネス、そして繁殖能力。
〈運動〉か〈生存〉の代わりに習熟してよい。
長時間の性行為でどれだけ疲労せずいるか、また子を授かりやすいかを判定する際に用いる。
この技能には2つの使い方がある。
・性的タフネス
基本的に時間を気兼ねしない行為後、相手との対抗判定を行う。
敗北した側は1段階の消耗状態となる。緊迫した状況でなければ、そのまま眠るか失神してしまうだろう。大休憩相当の睡眠をとれば、普通に活動可能となる。
なお、もし一方が20の出目を出した場合、相手が得る消耗状態を1D6段階にしてもよい。即死の可能性もあるため、極端なハプニングを好まないならば1D4+1に変えてもいいだろう。
もちろん互いに楽しむ前提の行為ならば、無理に【耐久力】〈精力〉をしなくてもいい。
・繁殖能力
プレイヤーとGMが望み、両者が生物学的(あるいは魔法的)に子を授かる可能性があるなら、RPを行った性行為の後に毎回判定する。
基本的にプレイヤーが判定を行うこと。PC同士なら両方が判定してもいい。
同種族の健康な異性間なら、難易度15の【耐久力】〈精力〉判定に成功すれば受精する。
何らかの事情がある場合、GMは目標値を上下させてもよい。
なお、どのような事情があろうとも、両キャラクターが望んでいるなら出目20を出せば、必ず受精する。
●〈房中術〉【判断力】
性的快楽によって生じる精神と生命のエネルギーを操る技術。
これは特殊な技術であり、習熟していないキャラクターは判定できない。
〈医術〉か〈宗教〉か〈歴史〉の代わりに習熟してよい。
この技能に習熟したキャラクター(以後、術者)は1時間かけて性的儀式を行ってよい。
性的儀式には必ず最低1人以上のパートナーが必要となる。冒険中の性行為は適用されず、この間に参加者は他のいかなる行動もできない。(呪文の発動も不可)
術者は性的儀式の開始時、参加者の誰かが習得している(儀式)の呪文を1つ選ぶこと。術者が複数いれば、各術者が同じ呪文を選んでもよい。
性的儀式が中断されず終了し、難易度8+(発動する呪文レベルの2倍)で【判断力】〈房中術〉に成功すれば、術者が唱えたものとして選んだ呪文が発動する。呪文に何らかの修正値が必要な場合、術者の能力値を参照せよ。
その他は儀式のルールに従うこと。
GMが認めるなら儀式タグのない呪文を「性的儀式」で発動させてもよい。また、状況によってGMは一度可能とした呪文を、発動できないことにしてもかまわない。
たとえば10人の術者が一斉にファイアーボール(実際に使えるのは1人)を発動させれば、たいていの建造物が無事では済むまい。同様に多数の術者がアニメイト・デッドを唱えれば、大量のアンデッドが容易に発生してしまう。
一度性的儀式を行った参加者は、大休憩せずに追加で性的儀式を行うごとに難易度12+性儀式の回数の【耐久力】〈精力〉判定に成功しなければならない。失敗したキャラクターは1段階目の消耗状態となる。
●〈誘惑〉【魅力】
肉体的な性的魅力。なにげない煽情的な仕草と色香。
〈説得〉か〈ペテン〉か〈動物使い〉の代わりに習熟してよい。
相手を誘惑し、劣情と期待を抱かせる。
明らかに問題ある状況や相手でなければ、下心と天秤にかけながら頼みを聞いてくれるだろう。もちろん、相手の期待に則った頼み事なら、容易に聞いてくれるはずだ。誘惑した衛兵を物陰での秘め事に連れ出すのは、単に立ち去らせるより遥かにたやすい。。
一方で名のある相手にそれなりの無理を通すなら、相手に【判断力】セーヴさせてもいい。色仕掛けではどうにもならない頼みなら、GMはきっぱりと断ってかまわない。 戦闘で不利になった際、命乞いに使ってもいい。たとえ下心を抱く相手ではなくとも、相応の知性があれば高く売れそうだと思ってくれる。
なお、残念ながら〈誘惑〉は相手を選べない一面もある。
GMはPCに劣情を抱きうるNPCが登場した時、いつでも受動判定のルールを適用してよい。この技能に習熟していないPCにも同様だ。
このルールを適用する場合、魅力の高いPC(受動判定値12以上)は酒場で容易に酒を奢ってもらえる一方、多くの酔客に体を馴れ馴れしく触れられる。路地裏で出会ったごろつき、街道で出会ったオークは性欲のまま襲いかかってくる。
受動判定値が14や16になれば、こうした危険はなお高まるだろう。