システム案内役になったヘリオンだよ。
ま、場数が一番多いからって選ばれただけさ。
あんまり細かい話をするつもりもないからね。
気楽に聞いとくれ。
●依頼と報酬
まず、あんたは依頼を受けた状態で始まる。
断るのはナシだよ。
もう受けちまってるからね。
明らかにクソみてーな仕事でも、誰かの需要があるんだろ。
がんばってこなすしかないのさ。
で、依頼を達成すりゃ報酬のクレジットが手に入る。
クレジットのために仕事してるって忘れちゃいけないよ。
正義やら義理やら信仰やら。
いろいろあるかもしんないけどさ、所詮は味付け。
フレーバー。
誰だって大事なのはカネだよ。
英雄様だってカネのために、危険な汚れ仕事をするのさ。
逆に言やクレジットが手に入れば、依頼達成しなくていい。
依頼人がハンターを裏切るなんて珍しかないんだ。
ハンターだって依頼人を裏切る権利くらいあるさ。
そりゃあ、依頼人の信頼が大事な時もあるだろうね。
次の仕事につながりそうな依頼人なら、誠実に相手しな。
ちなみに個人的な経験則だけどね。
金見せて命乞いする標的は、殺して金奪った方がいいよ。
で、口約束での命乞いなら、そいつは守る気なんざない。
助かったら約束より、金が大事になるのが人間さ。
ま、どう対処するかはあんたの決めるこったけどね。
いずれにせよクレジットを大事にしな。
戦闘力を維持したけりゃ、嫌でもクレジットが必要になる。
相応の生活費とか訓練費用とか単なる浪費癖とか。
肉体改造や武器のメンテナンス、弾薬代、借金の利子。
強いハンターほど維持費もかさむ。
しかも、維持費は仕事の後で一括支払いしなきゃならない。
余ったクレジットも次のために置いときたくなるだろ?
払えなかったハンターは悲惨だからねぇ。
手を尽くしてどうにか捻出するっきゃない。
運がよけりゃ、思わぬ臨時収入があるかもしれないけどさ。
大半のハンターは屈辱的な行為で稼ぐんだよ。
結果、破滅しちまうハンターもいるし。
引退ってぇか、娼婦になっちまうハンターもいる。
あたしだって、明日は我が身なんだからね。
●判定
サイコロ2個――2D6で高い出目を出せばOK。
1ゾロはファンブルで、ろくな結果にならないし。
6ゾロはスペシャルで、いいことが起きる。
基本はそれだけ。
判定に関わるのはレベルとカルマ。
レベル判定は2D6+レベルが目標値以上なら成功。
ま、たいていは相手のレベル判定値だね。
戦闘はほとんどレベル判定だよ。
だからレベルが高いほど強いって考えて間違いない。
カルマ判定は2D6でカルマ以上の出目なら成功。
高い出目ならボーナスがあったりもする。
PCの初期カルマは「2」。
つまり1ゾロ以外はとにかく成功ってこったね。
楽勝に見えるだろ?
けど、カルマ判定するごとにカルマは1増えるんだ。
4回カルマ判定したらカルマは「6」。
5以下で失敗。
で、失敗してもカルマは増える。
カルマを減らすのは色事で……だから仕事の合間の色事も、ハンターの嗜みってわけだ。ああ、あんたに信頼できる腕がありゃ、軽くお相手願うかもしれないね。
●リソース
カルマもクレジットも、重要なリソースだけど。
他にもリソースはある。
誰でも持ってるプライド。
戦意って言い換えてもいいかもね。
当人の当人たる気概。精神的な余裕。
このゲームじゃHPに当たる数値だよ。
心が折れなきゃ負けじゃないってわけだけどさ。
折れたら負けってことでもある。
ダメージを受けたら減って、0になったら戦闘不能。
威圧や誘惑もダメージ扱いだから注意しときな。
相手の口車に乗ったり、トリコにされても敗北なのさ。
途中で手に入れるアドバンテージ。
情報収集、罠設置、根回しなんかで手に入る。
1点使えば判定サイコロが1つ増えて、出目を2つ選べる。
2点使ったら4D6してから、2つ出目を選べるわけさ。
これを溜め込んで、戦闘に挑むのが仕事中の定番だね。
限られた手段で手に入るリロード。
1点使えば判定をやり直せる、振り直しポイントさ。
手段が限られるから、縁のないハンターもいるだろうね。
あたしだって、虎の子の護符を使わなきゃ手に入らない。
同じく限られた手段で手に入るバリア。
1点使えば1回分のダメージをゼロにできる。
ま、こまめに何回もダメージを受ける状況じゃ価値は低い。
アドバンテージやリロードみたく、汎用性もない。
けど、戦闘じゃ思わぬ一撃を受ける時だって多いんだ。
保険としちゃありがたいもんだよ。
●準備
さて、仕事で大事なのは準備だよ。
準備でアドバンテージを稼ぐわけさ。
最後の戦闘……まあ戦闘じゃないこともあるけど、戦闘に至る前にどれだけ有効な準備をしたかってのは大事なんだ。
ハンターの基本的な準備ってのは5種類ある。
・オンラインの情報収集(情報)
・関係者への聞き込みや根回し(交渉)
・現場での調査や仕掛け(察知)
・人脈から援助を受ける(人脈効果)
・休憩して英気を養う(リラックス)
人脈とリラックス以外は、カルマ判定をしなきゃいけない。
うまくいけば臨時収入も入るけど、失敗すりゃ時間の無駄だ。
時間ってのも、大事なリソースだよ。
それぞれの準備には、3時間ほどかかる。
で、一日ってのは24時間。
つまり8回準備したら終わっちまうんだ。
依頼は24時間以内に終わらせた方がいい。
期限指定されてる場合もあるし。
同業者に達成されちまったり、自然解決しちまったり、依頼人が始末される時だってある。どの場合も報酬はパーだ。
何より、あんたの時間だって有限だろ?
とっとと済ませるに越したことはないのさ。
●戦闘
で、いよいよ戦闘だね。
つっても、シンプルなものさ。
強い方が勝つ。
相手が武器の射程内にいたら、攻撃できる。
いなかったら近づくなり遠ざかるなりする。
攻撃したらお互いレベル判定する。
判定値の高い方が武器次第のダメージを与える。
武器ごとにダメージは固定だ。
ま、出目がよけりゃ追加ダメージも入るだろうさ。
判定値が同じなら、ガードされておしまい。
お互いダメージはナシ。
ああ、そうだよ。
判定値の高い方がダメージを与える。
順番に行動して、防ぎ合うわけじゃない。
高い方が毎回ダメージを与えるのさ。
攻撃すりゃ、ダメージを受けるリスクもある。ザコが強者に群がっても、全員殴り返されて倒れるのがオチってわけだ。
とはいえ、お互いが武器の射程内にいる必要はある。
射程外から攻撃できりゃ、一方的だ。
相手の判定値が高くたって防がれるだけ。
リスクはかなり減るわけさ。
接近戦が得意な奴は狙撃されたくないし。
狙撃手は近づいて殴られたら、どうしようもない。
とはいえ、そう上手くはいかないもんさ。
路地や人ゴミの中で遠距離なんて無理があるし。
ビルの上から狙撃されたら、近づく前に相手が逃げる。
つまり得意な間合いで戦うのも、大事な準備ってわけ。
で、一番理想的な攻撃が奇襲だね。
相手の間合いでも反撃を受けないし。
普通に攻撃するより、判定値だって高くなる。
戦うなら奇襲を狙うのがハンターの常道だよ。
重装甲ハンターが少ないのも静かに奇襲するためさ。
あたしみたいな武闘派だって、可能なら奇襲を選ぶよ。
●依頼辞退
ま、やっぱり戦闘ってのはリスクがある。
依頼主だって、そのリスクを避けたいんだろうさ。
けどハンターだって、全員が荒事屋ってわけじゃない。
情報収集や交渉が得意なヤツだって立派なハンターさ。
あんたがそうなら、無理に戦わなくてもいいさ。
依頼を辞退――つまり辞めちまいな。
集めた情報を他の戦闘バカに投げちまえばいいんだ。
面倒な準備を全部してやったんだ。
報酬の半額くらい、払ってくれるだろうさ。
とはいえ、知らないやつには手付金をもらっときな。
手違いがあったら、そいつに恨まれることもね。
その覚悟がありゃ、あたしが受けてやってもいい。
当然、半額で維持費を払えるマネジメントも必要だよ。
戦わないなら、肉体や武器の改造も最低限でいい。
強化するなら自分で戦いな。
……と、こんなトコかね。
色事関係やらは、また別の奴が案内するだろうさ。
それじゃ、がんばって今夜の仕事をこなしてきな。
今の話が役に立ったなら……
明日はあんたの手柄話でも聞かせるんだね。
戦闘時のレベル判定比較についてですが、
攻撃側・此方の数値(例:2d6+2=9)<反撃側・ファンブルした相手の数値(例:BS=6で2d6+5=10)
の場合、結果はどのようになると想定しておりますか?
ファンブルは「失敗」であるため、判定値が上回っていても失敗のためダメージを受けます。
対抗判定での「失敗」は、相手の判定値が目標値となるため、普通に目標値を出せなかったということです。
さらに「ファンブル」により追加で2点のダメージを受けます。
返信ありがとうございます。