今回はPCのクラスに当たる「アデプト」について!
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アデプト――達人。
一人前のハンターたるPCは相応の技術を習得している。
どんな技術分野を身につけたのか?
その得意分野、活躍すべき領域は何か?
アデプトはそれらを示す指針だ。
基本ルールブックに掲載されるアデプトは以下の10種類。
●ファイター
刀剣や格闘を中心とした近接戦アタッカー。
感情を一気に爆発させる強烈な攻撃が可能。
基本的に『Ventangle』は“やられる前にやれ”が必勝法となりやすいため、防御力より攻撃力が重視される。屋内や路地裏での近距離戦闘が多いため、接近戦中心でもストレスは少ないはずだ。わかりやすく戦闘で活躍できるだろう。
●ソルジャー
防衛戦と持久戦に長けるタフな万能型戦士。
戦闘で己を昂らせ鼓舞し、冴えわたらせる。
その真骨頂は「戦闘を何度もするほどリソースを得る」こと。『Ventangle』では適当な相手さえいればPCが自主的に戦闘を挑める。ソルジャーは休息等をとらず、ひたすら戦闘と情報収集を行なって依頼達成に全力を注げるのだ。
●ガンナー
銃の改造と射撃戦闘に特化したアタッカー。
カスタマイズした銃を低いコストで扱える。
相手の射程外からの一方的攻撃は、強力なら強力なほど戦闘を“処理作業”に変える。選ぶ銃とカスタマイズ次第で、近距離ガンマンにも長射程スナイパーにもなれるだろう。せっかくの未来社会、銃を撃ちたければ選んで損はない。
●アサシン
奇襲による一撃に全てを捧げたアタッカー。
超人的な隠密能力を誇り、潜入にも長ける。
『Ventangle』では奇襲で高いボーナスを得られる上、基本的に行動はPC優先ゆえ連続行動。リソースを注げば、相手の行動を許さず標的を沈黙させられるだろう。古典的な近接暗殺者もいいが、超長距離スナイパーにも適性がある。
●メイジ
多属性を使いこなす変則的な長期戦タイプ。
任意属性による固定ダメージを与えていく。
通常武器なら“気絶”ダメージだが、魔術は“魅了”や“屈服”ダメージも与えられる。これらは機械やゾンビには無意味だが、人間や妖精相手ならばただ暴力で打ち勝つ以上の価値を持つ。相手を虜や手下に変えてしまうのだ。
●ウイッチ
契約した妖精の援助を得るトリックスター。
トラブルに巻き込まれれば、妖精が現れる。
ソルジャーと同様「戦闘を何度もするほどリソースを得る」タイプ。契約妖精という、どこでも出せるNPCがいるのも強み。火力には欠けるが、“魅了”や“屈服”ダメージを扱えるので対人・対妖精では活躍が見込めるだろう。
●フィクサー
あらゆる交渉と根回しに長けた裏方タイプ。
外堀を埋めて敵を追い詰め、依頼をこなす。
直接戦闘には向かないが、交渉でリソースを溜めこんで最後で一気に使おう。なお、戦闘に自信がなければ“依頼を他のハンターに横流し”して、最低限の代価だけ得てもいい。武器や肉体改造しなければ、維持費も少なくて済む。
●シーカー
ネット上での情報収集に長けた裏方タイプ。
依頼と標的の裏の裏まで、ひたすらに調査。
フィクサーと同様の動き方だが、ネット中心のため自室からほぼ動かないのが特徴。予め同居人NPCを用意しておけば、エロ茶の合間に依頼をこなしていける。外に出て、現場のPCへダイレクトに接続して情報を得るのもいい。
●ビッチ
とりあえずエロいことしたい人への選択肢。
エロ描写してたら勝手にリソースが溜まる。
依頼を受けた後、適当に関係者と寝て回るだけで仕事になる。もちろん、相当の描写やロールプレイは必要だし、「した」という結果だけでは何も得られない。そして、エロをしないなら、これを選んでもまったくの無意味だ。
●ドミナント
そのカリスマで敵を屈服させる殲滅タイプ。
有象無象のモブ相手なら圧倒的強さを誇る。
数に任せた連中ならば、睨むだけで手下に変えてしまえるだろう。とはいえ“屈服”ダメージを与えているだけなので、ゾンビや機械相手にはまったくの無力。制圧力は間違いないが、依頼と相手を選んでから無双しよう。
ウイッチは、オリジンの「チェンジリング」と同様、ルールブックで例示された36種の妖精から選んでもいいし、望むならGMと話し合ってオリジナルの妖精を作ってもいい。
10種類のオリジン、10種類のアデプトを組み合わせ、100種類のパターンが作成できるだろう。
同じクラスであっても、オリジンが違えばイメージは全く異なる。
以下のような組み合わせはその好例と言える。
・最底辺から生き延びてきたイレギュラーのファイター
(それは粗暴な荒くれ者や、ギャングじみて見えるかもしれない)
・血を好む妖精と合体したチェンジリングのファイター
(それは異様な目をしたシリアルキラー同然の存在かもしれない)
・長き眠りから目覚めた古きヴァンパイアのファイター
(それは時代錯誤な衣装の奇妙な剣士かもしれない)
・享楽的に闘争を刺激と楽しむサキュバスのファイター
(それは戦う者とは思えぬ煽情的な衣装かもしれない)
・軍神の側面を持つ神が受肉したアバターのファイター
(それは腕が多数あるか、神話的武器を持つかもしれない)
もちろん、相性のいい組み合わせもある。
それらは舞台となる堕天特区でありふれた存在だ。
・支配層たる退廃的なエルフのドミナント
(基本的にエルフならば支配層でいるのが当然だ)
・娼婦として活動するサキュバスのビッチ
(堕天特区においてサキュバスのほぼ全てが娼婦である)
とはいえ、こうした組合わせも「武器」と「ウェア」によってさらに個性化される。
同じ「イレギュラーのファイター」であっても、まったく同じ武器を選んで、同じサイバー化をする例は珍しいだろう。
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そんなわけで。
次回はPCの戦闘スタイルを定める「武器」。
そしてPCの外見すら左右する「ウェア」について紹介します。