本来は昨年出すはずだった『Ventangle』。
テキストは完成しましたが、やはり索引等で手間取っています。
とはいえB5版の224ページ!
『触手教典儀』の倍近いページ数!
で、まあ入稿&販売開始の前に、軽い内容紹介をしていこうと思います。
紹介記事は本誌の地の文に合わせた文体になりますが、抜粋ではないです。
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『Ventangle』のPCたちはハンターと呼ばれる存在。
彼らは特定組織に属さず、なんでも屋として様々な仕事を受け、行う。
チンピラ以下の自称ハンターも無数にいる一方で、
英雄とも呼ぶべき伝説的ハンターだっている。
PCは確かな実力を持つハンターであり、
うまく名を上げれば英雄……あるいは最悪の犯罪者にもなれるだろう。
ルールブックでは20人のサンプルハンターが紹介される。
それぞれ、実用できるデータが掲載されたものだ。
そのキャラクターを構成する要素について解説しよう。
今回はその中の一つ“オリジン”について。
オリジン――起源とは。
そのハンターがいかなる存在か、を示している。
言ってしまえば、種族のようなもの。
ルールブックに紹介されるオリジンは以下の10種類だ。
●イレギュラー
誰でもハンターを名乗れるが、続けていくならば容易でない。
しかし時に、悪運という切り札だけで実績を積む連中もいる。
彼らはまさしく、あらゆる戦力差をひっくり返す変則的存在。
主人公補正の具現。
敵対者にとっての悪夢だ。
●プロフェッショナル
相応の経験を積んだハンターならば、複数分野の技術を得る。
彼らは努力と才能、あるいはその両方を研ぎ澄ました逸脱者。
単独でも多面的なカバーを可能とし、依頼達成を確実にする。
自ら磨いて刻み込んだ技術は決して裏切らない。
あらゆる意味で、最も安定性と信頼性の高いハンターだろう。
●エルダーブラッド
世界が変わる前から、対オカルト専門の一族や機関はあった。
俗に退魔師、対魔忍、エクソシスト等とも呼ばれてきた存在。
独自の暗殺術や呪術を継承してきた、異能にして異常の集団。
今や彼らは表舞台で戦い始めた。
生粋のハンターにして、恐るべき戦闘力を持つ超人だ。
●チェンジリング
己を超えた力を求める人間は多く、妖精にもそれなりにいる。
ゆえに両者は時に手を取り合い、契約し、一つの存在と化す。
人は妖精の肉体や魔法を、妖精は人の未来や運命を得るのだ。
肉体的にも精神的にも、変わり果てた存在となり。
己の衝動と折り合いをつけつつ、ハンターとして生きる。
●エルフ
社会を支配する、美しくも退廃的なデザインド・ヒューマン。
鋭敏な知覚力、不老の肉体、美しい容姿、高い知性を備える。
その数は厳密に管理され、人格転移には相当の功績を要する。
とはいえ、社会の常として落伍者や失墜者もいる。
さらに娯楽としてハンターになるエルフもいるだろう。
●オートマタ
科学と魔術の技術融合によって造られた、怜悧なる人造人間。
肉体改造が容易で、元から機能調整された個体を造りやすい。
エルフに代わる新世代の上位人類として、周知されつつある。
とはいえ、開発実験には貧民が使われやすく。
献体となった上に借金を抱えてハンターになる者も多い。
●サキュバス
最初期に顕現した妖精。都合のいい快楽提供者にして奉仕者。
早くから娼婦として、社会に居場所を得て在り続けたせいか。
今や世界と結びつき、妖精とは呼べぬ確固たる存在性を持つ。
淫猥で老いず飢えず、相手の性衝動から活力を得る。
彼らの多くは娼婦だが、刺激を求めハンターとなる者もいる。
●ヴァンパイア
世界が変わる以前から、世界の闇を跋扈していた吸血鬼たち。
限りなく不死に近く、高い身体能力を持ち、闇を自在に操る。
科学時代到来と共に眠りについた彼らが、再び目覚めたのだ。
今や新世代の吸血鬼も次々と生まれ、数も増え。
社会の裏で犯罪組織や……ハンターとしても活動している。
●アポストル
電脳世界に降臨した神。その現実世界における端末たる使徒。
外見こそ人間だが、精神は神とリンクし、その性質に染まる。
多くは仕える神の教団を運営し、信仰により神を支えるのだ。
異教や異端と戦うのもアポストルの義務。
ハンターとして信仰に合致する依頼を選び受ける者は多い。
●アバター
電脳世界から現実世界に直接干渉すべく造られた、神の分霊。
神にとってリスクある行為だが、成功すれば見返りは大きい。
人間の如く成長するため、英雄ともなれば神の存在も高まる。
少なからぬアバターが、今や現実を闊歩する。
その多くが成長や刺激を求め、ハンターとして活動するのだ。
チェンジリング、アポストル、アバターについて。
ルールブックでは36種の妖精、36種の神が例として紹介されている。
PLはこれらから選んでもいいし、望むならGMと話し合ってオリジナルの妖精を作ってもいい。
同じ神のアポストルやアバターが複数いても、互いに衝突しても何ら問題はない。
たいていの神は複数の側面を持つのだから。
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次回はクラスに当たる「アデプト」について紹介します。