「さて、ボクの頼みを聞いてもらおうかな」
「う……わ、わかりました」
そしてボクは彼女の前に立ち、
その頬を暖め安心させるように両手で包む。
えっ? 背が低いから変なポーズだって?
うるさいな。
こういうのはムードが大事なんだよ。
ほら、周りのゾンビだってピタリと止まった。
「そうだね。ボクがキミを守ろうか?」
「そ、そうですわ!
貴方なら私を守らせてあげてもいいと思いましたの!」
あはは。
口調も見た目も違うけど、こういうところは彼女と似てる。
じゃあ……顔を近づけて。
「うん、それじゃあボクがキミを守るとも。
一緒に外に出よう。死体に埋もれるのもったいないよ?」
「えっ、そ、それは……」
残念。
もう口は塞いじゃったよ。
ん……舌は思ったより長いね。
ほら、こっちに来て……。
ん、あは、甘い。
ボクのも味わってもらわないと……。
ぷは……一人でいると心がささくれちゃうからね。
彼女がいればボクたちも、まだしばらく戦えそうだ。
あはは、白い顔なのに真っ赤になってる。
さて、ゾンビを動かされると困るし。
どういう能力なのか技術なのか知らないけど……。
それじゃ、お姫様が我に返る前に、
パーツといっしょに連れていこうか。
昨日は二人で。
今日は一人で。
明日は三人だ。
帰り道で……仲良くならないとね♪
トゥルーエンド「三人目の姉妹」